個人のリスキリング

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【動画】リスキリングサクセスストーリー(水木木材工業株式会社 中嶋昭郎氏)

2025/03/31

話し手:中嶋昭郎(水木木材工業株式会社)

現場担当者のリスキリング ~現場でこそ活きる、デジタルツールの使いこなし~

水木木材工業(株)の中嶋昭郎氏は、30年以上製造現場の担当として働いていたところ、同社の専務からの誘いで日立地区産業支援センター(HITS)のIT化研修会に参加することに。当初は基本的なエクセル操作しかできなかったものの、研修会で他企業の優れた参加者から多くを学び、ITスキルを身につけていきます。更に、kintoneを活用して部品管理アプリを開発し、製造現場の業務効率向上や、残業時間の削減に寄与。2024年からはリスキリング推進チームのリーダーとして任命され、さらなる会社の発展に貢献することを目指しています。そんな同社の取り組みは、2024年度茨城県リスキリング推進企業・ベストプラクティス賞として表彰されました。

リスキリングのきっかけ

主にドラム鍔(木製のボビン状で、電線のケーブルを巻くもの)の製造を担当している中嶋さん。製造の現場で30年以上作業に従事していたところ、専務から「日立地区産業支援センター(通称HITS)のIT化研修会に参加してみないか」と言われて、研修会に参加してみたことがきっかけでリスキリングに取り組むようになりました。当時のデジタルスキルはエクセルで入力する程度でしたが、「どうしても、嫌だとかできないというのが嫌で、頑張ってみようと思って、自分のスキルアップとかレベルアップのために参加してみた」と中嶋さんは一念発起したと言います。

研修会で学んだこと

研修会では、「私以外の他の企業様はすごい人達の集まりだから、素人の私は全部吸収してこようという気持ちで取り組んできた」と中嶋さん。参加企業に足を運んで勉強会を開く機会もあり、システム導入なども勉強することができ、ITスキルが身についたといいます。

学んだスキルで実践していること

研修中にベンダーさんと共にマクロを活用したシステムの勉強をしていたものの、壁にぶつかってしまい途中で断念したと中嶋さん。そんな折、サイボウズ社の業務アプリ構築サービス「kintone」を知り、取り組んでみることにしました。まず中嶋さんが作成したのは、部品管理のアプリ。機械設備が多く、トラブルがあるたびに何の部品を使っているのかなどを都度調べていたので、その情報をデータ化して落とし込み、簡単に誰でも使えるようシステム化したといいます。

kintoneのホームページなどで作り方を見ながら、中嶋さん一人で、作業の合間に取り組みながら1週間程度で完成させることができました。

アプリを作る時に意識していること

第一に「アプリを作っても使ってもらえなければ意味がないので、現場の人が簡単に使えるように」ということを意識したと中嶋さん。研修会で、データベースや情報共有の重要性を学んだ経験から情報共有も重視し、色々なデータを落とし込んで、違う現場の人でも使いやすいようにアプリを作っていったといいます。これまで数十個のアプリを作成し、作っていくうちに自分のスキルも上がったことを実感できるようになりました。

社員の皆さんの反応について

年配の方が多く、デジタルに抵抗がある人が多かったという同社。けれども、アプリを作成して使わざるを得ない状況にあえてしてしまうことで、みんなに使ってもらえるようになり徐々に浸透していったといいます。アプリを作ったのが現場担当者である中嶋さんなので、分からないことも質問しやすく、要望に応じてすぐに変更できる状況も良いところでした。

自身や社内の変化について

自身の変化については、「アプリを作るようになって、自分に自信ができたというか、かなり大きく成長できた」と実感している中嶋さん。アプリを作ってシステムを導入したことにより、業務効率化にも成功し、残業時間も削減でき、定時で帰れる時間が多くなったともいいます。

その影響は社内にも伝播し、同社では2024年にリスキリング推進チームが結成されました。チームメンバーとリーダーを集めてヒアリングを行い、社内の改善に取り組んでいるといいます。中嶋さんはリスキリング推進チームのリーダーにも任命され、プレッシャーもありながら大きなやりがいを感じており、今後も会社に貢献していきたいと締めくくりました。

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