2023年度リスキリング推進シンポジウム1日レポート

具体的なリスキリングの取り組み

武藤氏「重機のオペレーションや国家資格など種類に関係なく、全ての資格取得を進めました。もう一つのソーラーパネルリサイクルプラットフォーム事業に関しては、スタッフ全員がシステム構築に馴染みがないので、外部業者とのミーティングに全部参加してもらってとにかく触れてもらう。その中で彼らの知識が増すところが、うちの具体的なリスキリングかなと思います」

小田倉氏「現在、技術者を経営者として育てるために、ある社員に経営技術を学んでもらおうと社会人大学院で行ってもらっています。システムセキュリティー分野ではドイツの研究所の方々に来ていただいたり、3Dデータに関するプログラムを手探りで作ったり、AI分野では専門大学の方と契約して進めています。そういった研究や仕事をやりながら学ぶという手法を取っています。
また、現場の社員に向けた自社テキストを用意し、テストも行います。チャートを分かりやすく起こして、本人評価と職長評価を画面で見せることで、リスキリングの途中で挫折しないで済むような気がしています。
先代の頃から続く65歳以上の社員もいますが、その方達がデータを扱うことに抵抗がない。世代関係なくスマートフォンのコミュニケーションツールを使っているので、全社として世代間でデジタルに抵抗感がない状況を作ることが大切だと思います」

株式会社ヒバラコーポレーション 代表取締役社長 小田倉久視氏

リスキリングによって得た成果

小田倉氏「40代半ば以下の社員を中心に、定量的に物事を捉えられる割合が高くなったと感じます。的を射た改善だったり、報告があったり。そういった点では(リスキリングをする前の)当時と違うなと思います。他には同じ人数で生産高をアップできた。もしくは手間のかかる工程に改善をしたことで、付加価値を上げられたというのが非常に大きいです。
もう一つは今、弊社のAI技術と設備監視システムを製造分野で県内の2社ぐらいご提案をさせていただいていて、他県にも広げていきたいというのもあります。そういった形で案件と契約が徐々に増えています」

武藤氏「新たな成果と言いますと、一つは、若い人も含めて新たなチャレンジを大歓迎でやっていること。
もう一つは、プラットフォーム事業に関しては、完全な新分野への進出です。事業そのものをDX事業として捉えるのは、私も最初は無理かなと思いました。ただ、このソーラーパネルのプラットフォームの特許を取って色々な事業展開することで、エネルギー産業の企業や金融機関などあらゆる企業が参加出来るってまさにDXそのものだと私は捉えています。これはリスキリングをやることで新たな成長分野、新たな事業としての展開に到達したと思います。
これはまだまだ成長過程なので、プラットフォームがより環境DXの広がりを持てるように進化させないといけないと考えています。
また、社員に対する評価処遇に関しては、一定の成果がある資格には、資格手当とは別に給料の中で反映するという処遇の改善をしております。画期的な新たなチャレンジをした社員に対しては、表彰状と金一封で称えています」

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