「従来、リスキリングという言葉は用いていませんでしたが、社員育成には力を入れていました。今回の取材を通して、リスキリングの意義や必要性について、改めて考えました。事業を再構築するならばリスキリングは必須であり、社員と一緒に、長期的に事業を展開する上で不可欠なものです。」と山田社長は強調します。

新規事業の創出と、その事業に必要なスキルを持った社員育成は切り離せないもの。そのため、一人ひとりが学びの機会を得るためには経営側の人的投資が欠かせません。

これからリスキリングを行う企業について、山田社長は「まずは県や国の補助金を活用し、リスキリングに取り組むハードルを下げ、深掘りの必要性を感じたタイミングで更なる投資を行う。そういった好循環が実現するとリスキリングを通して企業が活性化していくのでは」と期待感を示しました。

また、学習時間を退勤後や休日に確保すると身体的・精神的に負荷がかかることから、「業務時間内に学びの時間を設けることも視野に入れたい」とした上で、「２～３年程度の中期的視野を持てばリスキリング受講者は必ず資産になります。積極的に学べる場を提供し、学習成果に対するインセンティブ制度を導入して社員のやる気を醸成していく。そんな環境づくりが重要になってくるのでは」とリスキリングに取り組む際の心がけを語ります。そして最後に「経営者がリスキリングの重要性を理解することが第一歩です」と締めくくりました。