人材不足をリスキリングで打破
バックオフィスの業務効率化に成功
株式会社サシノベルテ (茨城県石岡市他)
近年、国内では人材不足が深刻な問題となっており、数多くの企業が頭を悩ませています。特に労働集約型傾向の強い福祉サービス業界も例に漏れず、業務効率化や働き方改革に取り組むことが求められています。
年々加速する人材不足を打開するべく、バックオフィス部門を中心にリスキリングを推進して業務改善を進めている株式会社サシノベルテの事例を紹介します。
本部の業務改善のため
リスキリング時間を確保
株式会社サシノベルテは、茨城県を中心に北関東で児童発達支援・放課後等デイサービス「こどもサークル」をはじめとして障害福祉事業を展開している企業です。平成27年に桜川市で設立して以来、50を超える事業所を運営し、400人以上のスタッフを擁します。福祉サービスの性質として、利用者と直接関わる時間が長く、顔を合わせてのコミュニケーションが重視されるため、個々の事業所で効率化できる部分は限られてしまいます。活動記録やご家族への連絡など、仕事が属人的になりがちでした。
代表取締役の久保田さんは「それならば、会社全体の事務・管理を担う本部の業務改善からスタートするのがより効果的と考えました。そうして本部でも出来る業務を事業所から移管して、事業所では出来る限り児童の支援に集中してもらえるような体制づくりを進めています」と話します。
主にデジタルスキルを中心に学習を推進。例を挙げると、ChatGPTによる文書作成補助や、Googleスプレッドシートを活用した資料のデジタル化・クラウド化、新たな業務支援ソフトの導入による業務効率化などを行ってきたといいます。
久保田代表自らが陣頭指揮を執って、人事や経理など管理本部の各グループリーダー長を中心に10名ほどを対象としリスキリングを実施。
「勤務時間という決められた枠の中で、スキル習得に取り組む時間を必ず週2時間確保する、と先に決めて業務スケジュールを調整するようにしました」と久保田代表。「いつかやろう」ではなく、喫緊の課題であることを共通認識として優先的に学びの時間を確保するよう位置づけました。
代表取締役の久保田さんは「それならば、会社全体の事務・管理を担う本部の業務改善からスタートするのがより効果的と考えました。そうして本部でも出来る業務を事業所から移管して、事業所では出来る限り児童の支援に集中してもらえるような体制づくりを進めています」と話します。
主にデジタルスキルを中心に学習を推進。例を挙げると、ChatGPTによる文書作成補助や、Googleスプレッドシートを活用した資料のデジタル化・クラウド化、新たな業務支援ソフトの導入による業務効率化などを行ってきたといいます。
久保田代表自らが陣頭指揮を執って、人事や経理など管理本部の各グループリーダー長を中心に10名ほどを対象としリスキリングを実施。
「勤務時間という決められた枠の中で、スキル習得に取り組む時間を必ず週2時間確保する、と先に決めて業務スケジュールを調整するようにしました」と久保田代表。「いつかやろう」ではなく、喫緊の課題であることを共通認識として優先的に学びの時間を確保するよう位置づけました。
手厚い支援が行えるように対人業務以外を徹底的に効率化していきたいと話す
ChatGPTをはじめとした
デジタルツールの活用
代表と二人三脚でリスキリング推進へ取り組んでいる、管理本部の重村さんにもお話を聞きました。
重村さんは具体的な成功事例として、ChatGPTが幅広く役立っていると言います。
「利用者様からの問い合わせへの対応マニュアルなど、これまでもテンプレートやフォーマットは作成・共有していましたが、ChatGPTを活用することで容易に文章を整えることが可能になりました。ChatGPTではExcelの関数式を出力することもできるので、資料作成にとても重宝しています」と重村さん。
業務見直しの一環で新たに導入した請求決済システムでも、ChatGPTで出力した関数を活用することでそれまで毎月1,000件以上を手入力していたデータを自動化でき、作業時間が以前の5分の1ほどまで短縮できるなど、目に見える成果をあげることに成功しています。
また、IT環境を活用することで管理本部と事業所間の物理的な距離を圧縮。Googleスプレッドシート等でのデータ共有や、クラウド化も業務効率化を後押ししました。
「福祉サービスは細かな規則や確認事項が多く、問い合わせ対応だけでも業務が煩雑でした。ですが、Googleスプレッドシートで内容を管理しチーム内で情報共有をしておくことで、担当者不在時でもすんなりと対応することが可能になり、各人の負担軽減に繋がりました」と重村さん。久保田代表も、「事業所運営上に必要となるあらゆる書類について、これまでは各事業所単位で管理していたものをデータ化し、すべてクラウド保存に移行しました。共有の時短だけでなく、業務の『見える化』で進捗把握も容易になったことも良かったですね」と話します。
こうした取り組みの結果、各事業所では現在ほぼ残業なしに。労働環境の改善を図ることができたのです。
重村さんは具体的な成功事例として、ChatGPTが幅広く役立っていると言います。
「利用者様からの問い合わせへの対応マニュアルなど、これまでもテンプレートやフォーマットは作成・共有していましたが、ChatGPTを活用することで容易に文章を整えることが可能になりました。ChatGPTではExcelの関数式を出力することもできるので、資料作成にとても重宝しています」と重村さん。
業務見直しの一環で新たに導入した請求決済システムでも、ChatGPTで出力した関数を活用することでそれまで毎月1,000件以上を手入力していたデータを自動化でき、作業時間が以前の5分の1ほどまで短縮できるなど、目に見える成果をあげることに成功しています。
また、IT環境を活用することで管理本部と事業所間の物理的な距離を圧縮。Googleスプレッドシート等でのデータ共有や、クラウド化も業務効率化を後押ししました。
「福祉サービスは細かな規則や確認事項が多く、問い合わせ対応だけでも業務が煩雑でした。ですが、Googleスプレッドシートで内容を管理しチーム内で情報共有をしておくことで、担当者不在時でもすんなりと対応することが可能になり、各人の負担軽減に繋がりました」と重村さん。久保田代表も、「事業所運営上に必要となるあらゆる書類について、これまでは各事業所単位で管理していたものをデータ化し、すべてクラウド保存に移行しました。共有の時短だけでなく、業務の『見える化』で進捗把握も容易になったことも良かったですね」と話します。
こうした取り組みの結果、各事業所では現在ほぼ残業なしに。労働環境の改善を図ることができたのです。
「新しいことを学ぶのが好き」という重村さん。RPAも試験的に取り入れているそう
ハードルを取り払って変革
スタッフとともに成長
同社では2023年にデジタル人材育成サービス会社と契約。これまではビジネス書などから学びを得て独力で業務効率化手段を開拓してきましたが、専門家の知見を味方に更なるステップアップを目指します。
「リスキリング推進対象者の中から3名を選抜して、外部エンジニアと月1回以上オンライン個別研修の機会をいただいています。まだ契約したばかりで種まきの段階ですが、これから必ず芽が出てくると期待しています」と重村さん。選抜メンバーはいずれもグループリーダー長。「まずはリーダー長からリスキリングの機運を醸成し、そこから各チーム、事業所のスタッフへ共有されていくイメージです。中には、新しい技術を取り入れたら仕事が楽になると分かっていても、変わることに抵抗感を示すスタッフもいます。そのハードルを強引にでも取り払って、背中を押して進めていくことも必要だと私は考えています。それが会社の成長を促し、ひいては社員の成長にも繋がりますから」と久保田代表は話します。
また、企業の成長や業務改善にとって、社員の適正評価とキャリアビジョン形成も欠かすことのできない要素といえます。同社では、従業員各々の業務の質や量に応じて適正な評価制度の整備に加え、半年に一度、久保田代表が全ての管理者と一対一で面談を行っているといいます。
「一人1~2時間ぐらいしっかりと時間をとって、対面でミーティングします。カウンセリングのように、社員それぞれがなりたい姿をイメージして、会社の中でのキャリアビジョンを明確化して進む道をアドバイスしています。特に支援員は年齢や実務経験の幅も広く、目に見える資料だけで一律で評価するのは難しい。なので、個別面談で個々のキャリアプランを吸い上げて、それに対して評価を行っています」と久保田代表。10秒でも20秒でも省ける時間は省く一方で、手をかけるべきポイントは的確に押さえています。
今後もリスキリングを積極的に推し進め、加速度的に成長していく同社に期待しています。
「リスキリング推進対象者の中から3名を選抜して、外部エンジニアと月1回以上オンライン個別研修の機会をいただいています。まだ契約したばかりで種まきの段階ですが、これから必ず芽が出てくると期待しています」と重村さん。選抜メンバーはいずれもグループリーダー長。「まずはリーダー長からリスキリングの機運を醸成し、そこから各チーム、事業所のスタッフへ共有されていくイメージです。中には、新しい技術を取り入れたら仕事が楽になると分かっていても、変わることに抵抗感を示すスタッフもいます。そのハードルを強引にでも取り払って、背中を押して進めていくことも必要だと私は考えています。それが会社の成長を促し、ひいては社員の成長にも繋がりますから」と久保田代表は話します。
また、企業の成長や業務改善にとって、社員の適正評価とキャリアビジョン形成も欠かすことのできない要素といえます。同社では、従業員各々の業務の質や量に応じて適正な評価制度の整備に加え、半年に一度、久保田代表が全ての管理者と一対一で面談を行っているといいます。
「一人1~2時間ぐらいしっかりと時間をとって、対面でミーティングします。カウンセリングのように、社員それぞれがなりたい姿をイメージして、会社の中でのキャリアビジョンを明確化して進む道をアドバイスしています。特に支援員は年齢や実務経験の幅も広く、目に見える資料だけで一律で評価するのは難しい。なので、個別面談で個々のキャリアプランを吸い上げて、それに対して評価を行っています」と久保田代表。10秒でも20秒でも省ける時間は省く一方で、手をかけるべきポイントは的確に押さえています。
今後もリスキリングを積極的に推し進め、加速度的に成長していく同社に期待しています。
リーダーがスキルを学び、チームで共有。リスキリング優良事例は朝礼で社内共有も
株式会社サシノベルテ
住所 | (本社)茨城県桜川市真壁町飯塚1006-2 (事務センター)茨城県石岡市府中1丁目3-3 |
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事業内容 | 児童発達支援・放課後等デイサービス運営など福祉サービス事業 |
HP | https://sashinoberute.co.jp |